酒好きほぼ100人に聞いた家飲みビール事情。「減税後はビールが増えた」が2割
昨年10月にビールは350mlあたり7円減税、新ジャンルは9.8円増税となりました。その後は減税されたビールの動きが好調といわれています。そこで酒好きの方々に、この一年間の家飲みでのビール飲用の変化を尋ねました。
ビール類酒税率改正を85%が認知
「よく知っている」が31%、「少し知っている」が54%で、85%がビール類の酒税率が一本化されることを認知しています。「まったく知らない」という回答はわずか2%しかなくこのテーマへの関心の高さがうかがわれます。
18%が自宅でのビール飲用機会が増加
同様に新ジャンルと缶チューハイについて聞くと、増税となった新ジャンルは「変わらない」が8割弱でしたが「減った(14%)」が「増えた(8%)」を大きく上回りました。税額が変わらなかった缶チューハイは「増えた」が18%で、ビールと同水準です。ただし「減った」が5%あり、ビールよりも多くなっています。
この1年で強まった家飲みのビールに新しさを求める気分
そのほか糖質ゼロのビールやノンアルコールビールを飲む機会が増えたという声が1割前後見られます。
ビール類酒税率一本化後に主としてビールを飲む人が5割
価格が上がる新ジャンルですが、ビール類としてはもっとも安価であり続けます。3%ながら「新ジャンルしか飲まない」という声があり、「主として新ジャンルを飲むがビールも飲む」も13%です。手頃なビール類として大きな市場を形成し続けると予想されます。
ビール類と競合すると言われる缶チューハイは「缶チューハイを飲みビール類は飲まない」と「主として缶チューハイを飲むがビールも飲む」で1割弱です。ビール類の税率が一本化されることで、缶チューハイが急成長することはないのではないでしょうか。
回答者は酒類市場を動かす酒ヘビーユーザー
ちなみにOECD(経済協力開発機構)は日本では酒類消費量の多い上位2割のユーザーが7割を消費していると試算しています。今回の回答者は酒量の多い上位2割に近いと思われ、ビール類の消費動向に大きな影響を与える層の動向を示していると考えられます。
酒熟練者がビールをおいしく飲む4つのこだわり
「つまみ・料理」については、肉、油脂、スパイシーがキーワードで、典型が唐揚げということになります。これらと無縁ながら人気のおつまみが枝豆でした。たとえば、「つまみにこだわる。魚介類ではなく、油を感じるもの。とんかつや餃子、肉野菜炒めなど」(男性・60代)や「喉が渇いたとき、肉料理と一緒に飲みたくなる」(男性・50代)、「不思議と枝豆によく合う」(男性・60代)というご意見です。
「シチュエーション」はビールがおいしい場面を挙げたもので、「たっぷり汗をかいた後」「仕事などで何かやり遂げた後」「風呂上がり」のほか、「ビールだけは仲間がいないとおいしくない。他は一人で飲んでも楽しめる」(男性・70代)というコメントが印象的でした。
そして、もっとも意見が多かったのが「グラス」についてです。「ビールに合わせてグラスを選ぶ」や「ワイングラスのように香りがわかるグラスで飲む」「口当たりの薄いグラスを選ぶ」というコメントです。
グラスに関心を向けるコメントがたいへん多かったので、これまで訪ねたブルワリー(ビール醸造所)がどんなグラスで提供していたのか、写真を探してみました。グラス選びの参考にしていただければ幸いです。なお、現在も同じグラスを使用しているかは確認していません。
調査時期:2021年9月2日~9月8日
調査方法:インターネットアンケート
サンプル数:134人(お酒好きな人)
※記事の情報は2021年9月16日時点のものです。
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