東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)の授賞式&パーティーに行ってきました!
東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)は、日本で初めて開催されたウイスキーとスピリッツの品評会。このほど東京で開催された授賞式と授賞パーティーに行ってきました!
日本は世界の五大ウイスキーの産地に数えられながら、いままでウイスキーの品評会がありませんでした。東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)は、今年日本で初めて開催された、ウイスキーとスピリッツの品評会です。第1回の今回は、世界中から527本の出品があり、178人の審査員が厳正な審査を行い、271本が何らかの賞を受賞しました。イエノミスタイル編集部は、6月8日(土)に東京・ホテルグランドパレスで開催された同コンペティションの授賞式と授賞パーティーに、おじゃましてきました。
日本人審査員が、世界のウイスキーを完全ブラインド審査
TWSC実行委員長のウイスキー文化研究所代表の土屋守氏は、授賞式冒頭の挨拶のなかで、TWSCは、次の三つの特長があると語りました。それは、
●全国から招請した日本人審査員が世界のウイスキー&スピリッツを審査
●すべてのボトルをブラインドでテイスティングする公平な審査
●実行委員会を組織して合議のうえで品評会を運営し透明性を高める
というものです。つまり「日本人の審査員が世界のウイスキーを完全ブラインドで公平に審査」ということですから、TWSCの結果は、私たち日本の味覚を持った家飲み派がウイスキーを選ぶときに、大いに参考にできるものであるに違いないのです。
グレンファークラス シングルカスク1989“ブラックジョージ・ラベル”に2019年「ベスト」の栄冠。
今回の品評会では、産地や種類などカテゴリーの垣根を取り払い、全てのシングルモルトのなかから2019年の「ベスト・オブ・ベスト」が選ばれ、授賞式当日に発表されました。
TWSC第1回の栄えある「ベスト・オブ・ザ・ベスト」に輝いたシングルモルトは、グレンファークラス シングルカスク1989“ブラックジョージ・ラベル”。輸入元のミリオン商事株式会社の本間俊哉社長(写真中央)が、ウイスキー文化研究所認定マスターの静谷和典氏(写真左)と共に昨年、スペイサイドのグレンファークラス蒸留所に出かけ、これはと思う樽を厳選、日本限定で213本のみをリリースした逸品です。ブラック・ジョージのジョージとは、グレン・ファークラスの現社長ジョージ・グラント氏のことだそうです。
全受賞ボトルの試飲とスコットランド料理。華やかに授賞パーティー
授賞式に続いて開催された授賞パーティーには、一般のウイスキーファンが続々と入場。なんと銅賞から最高金賞まで、そして特別賞の全ボトルを試飲できるという、世界でも類を見ない画期的なイベントです。会場には、一般のウイスキーファンがつめかけ、最高金賞ボトルの試飲には長い列ができました。
せっかくの機会なのでイエノミスタイル編集部も列に加わって、「ベスト・オブ・ザ・ベスト」に輝いたグレンファークラス シングルカスク1989“ブラックジョージ・ラベル”をいただいてみました。さすがといいますか、凝縮された風味と底知れないパワーを感じる味わいです。55.4%の強いアルコールなのに洗練されていて、ストレートでずっと飲み続けたくなります。幸せな一口でした。
「ベスト」のみならず、他の最高金賞受賞ボトルも、際立った美味しさです。さらに、金賞、銀賞、銅賞のボトルも、決してひけをとりません。ブラインドテイスティングで完全に公平な審査が行われているので、思わぬ安価なボトルに高い評価がついたりしているのも、家飲み派にとっては嬉しい情報です。近所に売っているあのボトルが実は高評価だったとなれば、思わず酒屋さんに駆けつけたくなります。
TWSCでは、ブラインドテイスティングならではの、審査で見い出された特にコストパフォーマンスの高いボトルを、特別賞のひとつとして選出しています。このベストコストパフォーマンス(スコッチ部門)に選ばれたのグレングラント ザ メジャーリザーブは、小売価格2千円そこそこ。同じくラム部門のバカルディ エイトも2千円台です。これはおトクな家飲みを追求している者としては見逃せません。
会場では、ハギス、スコッチエッグ、クラナカナンなど、スコットランドの伝統料理も提供されました。レシピは土屋実行委員長自らが監修。特にハギスは、本物の羊の胃袋が使われた、現在ではスコットランドでも珍しくなってしまった本格的なもの。多くの来場者が、本場の作法に従ってスコッチを振りかけて味わいを楽しんでいました。
本場メキシコのマリアッチ演奏で会場は華やかな雰囲気に包まれました。演奏に合わせ、土屋実行委員長と林生馬日本テキーラ協会会長(右)が「テキーラ!」の掛け声をかける一幕も。
会場で、実行委員長の土屋守ウイスキー文化研究所代表に、日本初のウイスキー&スピリッツの国際品評会という大事業を終えた感想をうかがいました。
「ずっと構想を持ち続けていて、昨年3月に準備を開始して、多くの皆さんの力をいただいて、これだけのコンペティションが無事開催できたことに、まずはホッとしています。今回、審査方法も考え抜きました。このような一般の皆さんに全受賞ボトルを飲んでいただくパーティーというのも画期的なものです。今回が第1回ですから、これからは継続していくという大きな責任を感じています。すでに2回目の準備も始まっています。日本はウイスキーづくりの技術も知識も一流です。これからはウイスキーの評価という点でも、すばらしい経験を積んでいけると信じています」(土屋守代表)
土屋代表、審査員のみなさん、実行委員のみなさん、これからも毎年のTWSCで、美味しいウイスキーを私たちに教えてください!
※記事の情報は、2019年6月15日時点のものです。