バイヤーが巷で人気の「麹系」甘酒を飲み比べてみました!(後編)
巷で話題になっている甘酒を飲んでみたいけれど、いったいどれが美味しいの? 何を基準に選んだらいいの? そんなあなたのために、名古屋の酒問屋イズミックのスタッフが人気の甘酒を飲み比べてみました。今回は、「飲む点滴」とも言われ、甘酒の中でも特に人気の”麹で造った甘酒”をご紹介。味のタイプを数値で表してみました。
篠崎「国菊 あまざけ」
容量900ml メーカー希望小売価格660円(税別)
後編の一発目は国菊あまざけです。こちらは「蔵元探訪記」でも紹介した蔵元の商品です。(記事はこちら)
原材料は米麹と米で、100%国産のものを使用しています。おや、米麹の表記が先にあるので、お米よりも米麹を多く使用していることがわかります。一般的に、米に比べて米麹のほうが、原価が高いので、贅沢な造りであると推測できます。これが味にどう影響しているのでしょうか?
驚きの甘さです!砂糖などの糖分を添加していないとは思えないほどの甘さです。見た目のとおり米粒が原形のまま残っており、「飲む」というよりは「食べる」のほうが合っているかもしれません。とにかく濃厚でふくよかな味わいです。もしかしたら、米麹が多く含まれていることで出せた味かもしれません。
ぶんご銘醸「酒蔵のあまざけ」
容量900ml メーカー希望小売価格650円(税別)
続いては同じく九州の焼酎蔵、ぶんご銘醸の甘酒です。こちらも見た目は国菊のあまざけと大差がありません。原材料も米と米麹でいずれも国産のものを使用しています。
米粒感もしっかりありますし、甘いことには甘いのですが、国菊のあまざけに比べると水分が多く、それにより甘みとコクがほどよく抑えられている気がします。両方ともお米を食べているかのような甘酒ですが、甘くて濃厚なものが好きなら国菊、それよりも飲みやすいタイプが好きならぶんご銘醸をおすすめします。
福光屋「酒蔵仕込み純米糀甘酒 ペット」
容量850g メーカー希望小売価格800円(税別)
いよいよ最後の銘柄となりました。石川県の日本酒蔵、福光屋が造った甘酒です。ペットボトルの容器に入っています。飲み終わった後の容器処理に悩むことはなさそうです。
こちらはボトルがパッケージで覆われているので、麹の量が確認できません。なのでパッケージをはがしました。麹の量は半分くらいでした。米粒は破砕されており、注いだ感じはさらっとしていました。
チャートだけ見ると特徴のない甘酒と思えてしまいますが、逆に突出した部分がないので、結果、非常に飲みやすい甘酒に仕上がっています。国菊やぶんご銘醸とは大きく異なる特徴で、これから甘酒デビューという方にはぴったりの商品だと思います。前回ご紹介した黄桜同様、きりっと冷やして飲みたい甘酒です。パッケージに記載されていますが、凍らせて甘酒シャーベットというのもおいしそうです!※凍らせる際は、予め他の容器に移し替えてから凍らせて下さい。
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今回は後編ということで、残る3つの甘酒を比較してみました。濃くて極甘の国菊と、さらりと飲みやすい福光屋とでは、同じ甘酒でもまるで正反対の特徴を持っています。そうかと思えば、忠孝酒造の黒あまざけのように、異次元の特徴を持った甘酒もあります。どれがおいしいとは言い切れないので、数値化したことで、ご自身に合った甘酒が見つけやすくなったのではないかと思います。甘酒はちょっとしたブームになっているので、各社が競うように商品がリリースされています。「家飲みしたらここの甘酒がおいしかった!」とか「こんな飲み方をしたらおいしかった!」などのご意見がございましたら、是非とも編集部にお知らせ下さい!
※記事中の数値は個人の感想です。
※記事の情報は2017年7月6日時点のものです。