スペインのバスク地方を代表するワイン「チャコリ」を飲んでみた
バスクチーズケーキの流行で日本でもじわじわ注目を浴びるスペインのバスク地方。美食の街としても知られるバスク地方を代表するワイン「チャコリ」の魅力に迫ります。
スペイン・バスク地方を代表するワイン「チャコリ」
バスク地方はピレネー山脈の西側、スペイン北東部とフランス南西部の国境を挟んで広がるエリア。スペインとフランスの国境にまたがるこの地方に古くから住むバスク人は独自のルーツと言語を持つ民族で、独自の文化を築いてきました。
特に食文化は豊かで、スペインやフランスの他地域とは異なる独自の料理は、バスク料理として広く世界に知られています。バスク地方屈指のリゾート地、サン・セバスチャンは美食の街として有名で世界中から観光客が訪れるほど人気です。そんな食文化をもつバスク地方で古くから親しまれてきたワインが「チャコリ」です。
チャコリはほとんどが地元で消費されていたため、これまであまり輸出されることはなかったのですが、世界的なバスク人気に伴い輸出量も増加。バスクチーズケーキの流行からも分かるように、ここ日本でもバスク人気の波は高まっており、それに伴いチャコリを取り扱うお店もわずかではありますが見かけるようになりました。
ではチャコリとは一体どんなワインなのでしょうか。
「チャコリ」の特徴は?
白ワインのイメージが強いですが、実は赤とロゼもあります。主な原料ブドウ品種はバスク地方の土着品種である白ブドウのオンダラビ・スリと黒ブドウのオンダラビ・ベルツァ。
ちょっと聞き馴染みのない品種ですが、“オンダラビ”はスペインとフランスの国境に位置する“オンダリビア”という港町の名前が由来となっており、加えて”スリ”はバスク語で白、″ベルツァ”は黒の意味するということで、それぞれ“オリダリビア村の白ブドウ”、“オンダリビア村の黒ブドウ”という割と分かりやすいネーミングだったりします。
「チャコリ」特有の注ぎ方「エスカンシア」
そもそもチャコリは生産から消費までのサイクルがとても早く、フレッシュな味わいを楽しむワインなので、樽や瓶内で熟成させるような造り方をしていません。フレッシュであるが故にどうしても酸味が強くなってしまうため、このエスカンシアと呼ばれる注ぎ方が定着していったというわけです。
「チャコリ」を飲んでみた
その最も大きな理由は、フィロキセラというブドウの生育を阻害しやがて枯死させる昆虫。チャコリは19世紀後半のフィロキセラ禍でほぼ壊滅状態となり、チャコリのためのブドウ栽培が復活したのは20世紀末とつい最近のこと。生産量もフィロキセラ禍以前までは戻っておらず、その少ない生産量の9割以上が地元で消費されているので、輸出されている量は微々たるものです。
そんなわけで日本に流通しているチャコリも数がかなり限られており、お値段もそれなり。なので今回は入門編として日本で流通しているチャコリの中でも割とお手頃なものを1本ご紹介したいと思います。
ご紹介するのは「オレカ チャコリ・デ・ゲタリア」というチャコリです。
間違いなく魚介に合いますよね、これは。現地ではシーフードを使ったピンチョスとの組み合わせが定番とのことですが、ちらし寿司のような和食やトムヤムクンのようなアジア料理まで、幅広い料理と合わせて楽しめそう。夏の家飲みで大活躍間違いなしの1本です。
この夏はぜひ、チャコリで美食の街サン・セバスチャンの雰囲気をお楽しみください。
オレカ チャコリ・デ・ゲタリア【商品概要】
- 原料品種:オンダリビ・スリ、オンダリビ・ベルツァ
- アルコール度数:11度
- 容量 / 容器:750ml / 瓶
- 参考小売価格:2,700円(税抜)
- 輸入元:大榮産業
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