骨董市で、今年の家飲みを楽しくする酒器を見つけよう!

日本最大規模の骨董市「大江戸骨董市」に出向いて、理想の酒器を見つけようという企画。全国の骨董市リストもあります。

メインビジュアル:骨董市で、今年の家飲みを楽しくする酒器を見つけよう!
「骨董」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか? 高そう、難しそう、鑑賞のためのもの…。確かにそんな骨董品もありますが、街で開かれる骨董市にはふつうの人がふつうの生活の中で使ってきた生活道具もたくさん並んでいます。もちろん、家飲みに欠かせない酒器だって。そんな古いものには、時代を渡ってきたからこそ備わる表情や佇まいがあって、心の目が合うとつい自分の暮らしに招き入れたくなるんです。

ということで今回は、2019年の家飲みを美味しく楽しくする酒器を見つけるべく、日本最大規模の露店骨董市「大江戸骨董市」にイエノミ編集部のメンバーで向かいました!

大江戸骨董市には、世界各国のアンティークがぎっしり

大江戸骨董市には、世界各国のアンティークがぎっしり
大江戸骨董市は日本一の規模を誇るアウトドア骨董市で、月に2回東京国際フォーラムで開かれているほか、代々木公園でも不定期開催されています。私たちが訪れたのは、東京国際フォーラム会場。地上広場には、日本の骨董品はもちろん、ヨーロッパや北欧、アジア、中南米、アフリカなど世界各国から集められたアンティークが所狭しと並んでいます。
日本の骨董
韓国の骨董
ヨーロッパの骨董
北欧の骨董
西アフリカの骨董
チベットの骨董

骨董とは言え、今の暮らしに寄りそうモノにこだわってセレクトをしている店も多く、その“古くて新しい”面白さが若い人の心も掴んでいるようです。
日本のお皿
洋物の雑貨

また大江戸骨董市は、品ぞろえの豊富さ、立地の良さもあって海外からの観光客にも人気です。一年で最も寒さが厳しいと言われる「大寒」にも関わらず、この日もスタート時間の朝9時から、掘り出し物を求める人でにぎわっていました。
大江戸骨董市は早朝からにぎわう
この広場の中から「これぞ!」という理想の酒器を掘り出すことはできるのか…? いざ、お買い物スタートです!

今回の酒器ハンターは、イエノミスタイル編集部員の4名

左からヤマさん、アキ(筆者)、スーさん、センさん

おこづかいは一人2000円、与えられた時間は1時間30分です。


 

いざ、酒器ハンティングスタート!

骨董市をきちんと見て回るのは初めて、というヤマさん。ウイスキー用のロックグラスかスキットル、日本酒まわりだと御猪口や燗をつけるためのちろりを探しているとか。「骨董市ってフリーマーケットのよう雑多な感じをイメージしてたんだけど、ここに出店している店はモノをちゃんとセレクトしている感じがするし、ディスプレイにもこだわってるね~」。そう言いながら、気になったものを手に取っています。
物色中のヤマさん
「さっき日本酒の御猪口でいいなと思うものがあったんだけど、後でもう一度その店に行ってみるとすでに売れてた。見つけたときにすぐに買っておけばよかったな」と残念そうです。気を取り直して物色を続けます。

大江戸骨董市には何度か来たことがあるというスーさん。ずいぶん前に骨董市で見つけて気に入って使っていた昭和レトロなデザインのガラスコップが割れてしまったので、それに似たものを見つけたいんだとか。
物色中のスーさん
探し始めて約40分、意外とイメージ通りのものが見つからないと焦り始めました。それでもめげずにキョロキョロ探し続けていると、「なんかあの店にありそう」とスーさんのアンテナがビビビ! 健闘を祈りつつ、一旦ここで別れました。

いかにも骨董が好きそうな風貌のセンさんですが、意外にも大江戸骨董市に来たのは今回が初めてとのこと。所望しているのは、日本酒でも焼酎でも何でもマルチに飲める、ほど良いサイズの酒器だそう。「モノがたくさんあり過ぎて、観て回るだけでも時間がかかるね」とつぶやきながら物色しています。
物色中のセンさん
1時間30分後、集合場所に手ぶらで戻ってきたセンさん。「いやー難しい。いくつか気になるものはあったんだけど、時間内に購入まではできなかった…」。やはり1時間半で探し出すというのは無理があったようです。急遽、時間延長です。

大江戸骨董市は普段からよく来ている筆者。ただこれまで雑貨ばかりに目が行っており、酒器だけを見てまわるのは今回が初めてです。探しているのは、ビストロにあるような安めのワインを飲む用の、背の低い丈夫そうなワイングラス。早速イメージ通りのものを見つけました。フランスのアンティークだそうで、ぽってりとした厚みがあります。
6000円もしたワイングラス
がしかし、お値段6000円。完全に予算オーバーです。他の店にもこれは! と思うものがいくつかありましたが、安くても4000円以上。2000円で理想のワイングラスを見つけるのは難しいようです。そんな時、とあるお店の方から「小さめのリキュールグラスなら気軽に買えるものが見つかるかも」とありがたいアドバイス。なるほど、そうかも。予定を変更してリキュールグラスを探すことにします。


さあ、酒器ハンティング終了です。この広大なフィールドの中から、4人が掘り出したものとは…?

骨董市で4人が買った酒器がこれ!


ヤマさん:YUKIWAのスキットル

YUKIWAのスキットル
ヤマさん「これを売ってくださったのは、東京都の本多さんです。本多さんは大江戸骨董市に毎回出店しているそうです。3000円のところを、2000円におまけしていただきました」
お店の本多さん
理想的なスキットルを売ってくれた本多さん
「スキットルは、錫製のもっとずっと高価な年代ものもあったけど、それはあきらめました。買ったのは、別にアンティークではない中古のスキットルです。このスキットルは「YUKIWA」というブランドで、金属加工の長い伝統があることで知られる新潟県燕市の、三宝産業株式会社のものです。ステンレスのスキットルは、いまでは新品が2000円以下で買えるけれど、このYUKIWAのように曲線のものはなかなかありません。それらはたいてい角張っているので、家に飾るにはいいけど、本当にポケットとかバッグに入れたら引っ掛かってしまいそうです。それに比べると、この優雅な曲線が実用的にも、デザイン的にも素晴らしいです。これは新品だとだいたい一万円弱します」
 

スーさん:昭和のノベルティグラス2個

昭和のノベルティグラス2個
スーさん「私が見つけたのは、昭和30~40年代のノベルティグラス。(写真の)右は森永ホモ牛乳のグラスで真ん中のキャラクターはホモちゃんというそうです。左は三ツ矢サイダーのグラス。本当は1個1300円するのですが、こちらの予算を伝えるとお店のおじさんが2つで2000円におまけしてくれました」
気前よくおまけしてくれたお店のおじさん
気前よくおまけしてくれたお店のおじさん
グラスを見つけたお店
「ほかにも思わずほしくなる昭和レトロな雑貨がたくさんあって、目移りしました~。久しぶりの骨董市、楽しかったな」
 

センさん:小ぶりな蕎麦猪口2個

小さめの蕎麦猪口
センさん「前に雑誌か何かで“小ぶりな蕎麦猪口で酒飲むのが具合が良い”というような文章を読んで、なんとなく、蕎麦猪口で酒を飲むのが憧れでした。で、機会があると「小ぶりな蕎麦猪口」を探すのですが、この「小ぶり」がなかなかくせ者で。普通の蕎麦猪口ぐらいのサイズだと酒器というより食器感が増すし、小さいとぐい飲みと変わらない……。今回はせっかくなのでこの「小ぶり」を念頭にうろうろしました。で、結果、イメージ通りのサイズのものに出会えて大満足です。出店の店主も、なかなかこのサイズってないんだよね、酒飲むのにはいいよ、これ、と言ってくれました」
小さめの蕎麦猪口を買ったお店
「一個800円を二個セットで購入。手描きの格子模様もなかなかシブく、ぐい飲みと違って底に高台がないため、どっしりと安定感があります。製造年代ははっきりしないようですが、店主さんの勘では60年ぐらい前のもの?だそうです」
 

アキ:70年くらい前のリキュールグラス

70年くらい前のリキュールグラス
アキ「残り時間20分というところで、このリキュールグラスが目に付きました。当初予定していたワイングラスではないけれど、手に持った感じやガラスの質感も好み。70年くらい前に、アメリカかカナダで作られたものだそうです。世界のアンティークを扱っている『シュープリーム』というお店で買いました。税込みジャスト2000円」
世界のアンティークを扱う「シュープリーム」
「お店の方いわく、シェリーや日本酒なんかに良いんでは?とのこと。シェリーはあまり飲んだことないけれど、このグラスがきっかけで好きなお酒が増えるのもいいなと思ってこれに決めました」

 

\後日…さっそく使ってみました!/

スキットル、使ってみた
ヤマさん「バーボンが似合います。でも真っ昼間に公園のベンチで飲んだら人の目が気になりました。スキットルがしっくりくるのは高原のキャンプ場とか、川や湖の釣り場、それから真冬のラグビー観戦とかですね」
 
昭和のグラス、使ってみた
スーさん「牛乳用とサイダー用のグラスで飲むビールは少し背徳の味がしました。でもポップでかわいくていい感じです」
 
蕎麦猪口、使ってみた
センさん「蕎麦猪口とほぼ同世代と思われる、森繁+フランキー+池内淳子の駅前シリーズ『駅前旅館』を肴に、芋焼酎を注いで飲んでみました。口当たりもなかなか良いです」
 
リキュールグラス、使ってみた
アキ「ドライシェリーを買って飲んでみました。波紋の入ったグラスに淡い琥珀色が映えてきれい~! このグラスを使うために、他にも色んなリキュールを試してみたくなりました」


骨董市で酒器探し、いかがでしたか? 骨董市で掘り出しものを探すなら、朝早くから出かけて行くのがおすすめです。ぜひ自分なりの感性で、理想の酒器を探してみてください。
4人が買った酒器

■大江戸骨董市
有楽町・東京国際フォーラムで第1・第3日曜日に、原宿・代々木公園ケヤキ並木で不定期に開催。
※諸事情により日程が変更になる場合があります。
※当日の天候などにより開催中止の場合もあります。
詳細は、大江戸骨董市のHPをご確認ください。

■そのほかの全国の骨董市リスト
<北海道・東北>
・北海道「豊平神社骨とう青空市」 4月~10月の第4日曜、11月の第3日曜に開催
・秋田「あきたアンチック蚤の市」 毎月第2土曜(原則)に開催
・宮城「仙台市小民具骨董青空市」 毎月第4日曜に開催

<関東>
・栃木「大前神社お宝骨董市」 毎月第2日曜(11月は第3土曜)に開催
・群馬「桐生天満宮古民具骨董市」 毎月第1土曜(1月は成人の日)に開催
・茨城「一言主神社骨董市」 毎月第3日曜日
・埼玉「越谷香取神社骨董市」 毎月第2土曜に開催
・埼玉「川越成田不動尊蚤の市」 毎月28日に開催
・埼玉「浦和宿ふるさと市」 毎月第4土曜に開催
・千葉「木下駅南骨董市」 毎月第1土曜に開催
・千葉「小江戸佐原の骨董市」 毎月第1日曜に開催
・東京「青山ウィークリーアンティークマーケット」 毎週土曜に開催
・東京「町田天満宮がらくた骨董市」 毎月1日(1月と11月は変更あり)に開催
・東京「高幡不動ござれ市」 毎月第3日曜に開催
・東京「多摩骨董市」 毎月第4日曜(8月は休会)に開催
・東京「護国寺骨董市」 毎月第2土曜に開催
・東京「乃木神社 骨董蚤の市」 毎月第4日曜に開催
・東京「新井薬師アンティークフェア」 毎月第1日曜(1月のみ第2日曜)に開催
・東京「富岡八幡宮骨董市」 毎月第1・2・4・5日曜(原則 ※神社の行事や15・28日に当たる場合は休会)に開催
・神奈川「やまとプロムナード古民具骨董市」 毎月第3土曜に開催

<中部>
・静岡「静岡護国神社蚤の市」 毎月最終土曜・日曜に開催
・愛知「大須観音骨董市」 毎月18日・28日に開催
・富山「富山のみの市」 毎月第1日曜に開催

<関西>
・京都「北野天満宮御縁日(天神市)」 毎月25日に開催
・京都「東寺弘法市」 毎月21日に開催
・大阪「四天王寺大師会・太子会(四天王寺骨董市)」 毎月21・22日に開催

<中国・四国・九州>
・岡山「倉敷・懐かしマーケット」 年4回、第5日曜に開催
・香川「さぬきの市」 毎年5月と10~11月頃の年2回開催
・福岡「門司港 蚤の市 古物・骨董」 1~2か月に1回のペースで開催
・福岡「護国神社 蚤の市」 不定期開催

※骨董市の日程は2018年のものです。また、当日の天候などにより開催中止の場合もあります。ご自身で事前にご確認の上、お出かけください。
※記事の情報は2019年1月30日時点のものです。
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